鴉天狗と謎の男が空中戦を始めた頃、慌てて飛び出した透達は、屋敷に向かって全力で走っていた!
通りに出たものの、こんな時に限ってタクシーが一台も通らず、電話した待ち時間を考えると走った方が早かったのである。
「全く!何でいつも後手にまわるハメになるんだよ!」
沙綺が皆と肩を並べて走りながら叫んだ。
流石に訓練された退魔士達なだけあって、全員体力は十分にあった。
「うるさいわね!!お風呂入ってる時に来たんだからしょうがないじゃない!急に出れないわよ!!」
「月読ちゃんは裸で出て来たぞ!?お前もたまにはサービス…。」
ドフッ
綺麗に右ボディブローが決まって、沙綺はその場に沈んだ。
「沙綺ちゃん追いついて来てね〜!!」
彩音達は構わずに沙綺を抜き去ると、後ろに向かって叫んだ。


