神楽幻想奇話〜鵺の巻〜

…バサッバサッバサッ!…

月明かりが雲で隠れ始めた夜空の闇に、黒い翼が舞っている。

白蓮の屋敷までたどり着いた鴉天狗は、明かりの漏れる屋敷を見下ろした。


「さて、派手なパーティーを始めようじゃねーか」


鴉天狗は屋敷に張られた結界を打ち破るべく、妖力を全開にした翼を広げた!


勢い良く攻撃を開始しようとしたその時、屋敷の横の道路上から男の声が聞こえた。


「あのー、そこで飛んでる兄さん…ちょっといいかい?こっちこっち。」


鴉天狗が興を削がれてイラつきながら下を見ると、手を振る男が居た