「…ああ…。」


「ならば話が早いわ。一つだけ聞かせて?貴方にとって、妖とは何?」


そのたった一つの問いかけに、透は息を飲んだ。まさか妖当人から何かと聞かれるなぞ、思ってもみなかったからだ。


透は僧正からの話に聞いたままに答えた。


「古くから居る者達…全てが悪い者ではないが、人間の命を脅かす者でもある。」


「見方はそれだけなの…?」


「それだけ?…俺達は退魔士だ、人間を妖から守らなくちゃいけない。」


「あくまで人間からの視点…何故、妖達が人間を襲うようになったのか考えた事は無いのね?」


刹那は十分な答えを得たといった様子で、透に背を向けた。