「御館様、患者と遺体の搬送終わりました。」

沙綺達は報告してからその場に腰を下ろした。


白蓮はご苦労様と言って透達にお茶を出した。

それを一口飲んでから透が質問を投げかけた。


「白蓮様、奴らの目的はここを潰すこと…。実際被害は甚大なものです。
しかし、長の貴女が生きているというのはどういうことなんですか?
ここまで暴れた妖達が見逃して帰るなんて。」


「バカ!生きてて何よりじゃねーか!
生きているのはどういうとだなんて失礼だぞ!」


沙綺は透に対して怒った。
それを白蓮が片手をあげて制した。


「待ちなさい沙綺、よいのです。そう思うのは当たり前じゃ。」

そして白蓮は実際に起こった最後の顛末について話した。






「…そうだったんですか。それでその女に見覚えは?」

話を聞いた沙綺が白蓮にそう聞くと、白蓮は黙ったまま首を横に振った。


「そいつも妖…なのかしらね?」


「いや、忍…そうとは限らんぜ?俺らの知らない退魔士なのかもしれん。」


「でもそれじゃ、鵺の言った人間の味方をするのかっておかしくない?」

忍は沙綺を見つめてそう言った。