山口くんは私が話すのをずっと黙って聞いてくれていた。 「ごめんね。急にこんな話。ビックリしたでしょ?」 彼はゆっくりと首を横に振る。 そしてギュッと握られていた私の手にその手をのばして拳を開かせた。 手の平には食い込んだ爪の跡が赤い線となって残っていた。 「神崎さん。ごめん…。」 山口くんがそっと掌を撫でてくれる。 「どうして山口くんが謝るの?」 「あのさ…、間違ってたら悪いんだけど…、」 彼は私の目をしっかりと見つめる。 「神崎さん、今日…誕生日だよね?」