轢かれてもいいや。 死んでもいいや。 こんな世界を生き続けるくらいなら死んだ方がマシだ。 私は躊躇することなく道路に飛び出した。 右からは大型トラックが迫っていたが轢かれることなく走り抜ける。 対向車線に車の姿は無かった。 ホッとして反対側の歩道に立った時、耳をつんざくような音が響いた。 驚いて逃げることも忘れて振り向いた。 さっきのトラックが止まっていた。 横断歩道に広がる血の海。 人形のように横たわる義父。 母の叫ぶ声。 私は自分の心拍数が上がって行くのを感じていた。