裸足のままアパートの階段を駆け降りる。 「恵梨香?」 帰宅した母が驚いて私を見ていた。 「お母さん!」 母に助けてもらおうと駆け寄った。 「待て!」 義父が私を追いかけて階段を降りてくる。 その瞬間、私が殴られて泣き叫んでも助けてくれなかった母の背中を思い出した。 私の肩に置こうとしていた母の手を振り払うと私は再び走り出した。 「待て!」 義父の声がまたした。 目の前の車道は赤信号に変わったばかりだった。 だけどここで止まったら捕まってしまう。 でも飛び出したら…。