そこに広がる光景に立ちつくした。
私に背を向け、一糸まとわぬ姿で仰向けに寝転がる義父にまたがる母。
泣くような声を出していても、叫ぶような声を出していても、嫌がっているようには見えなかった。
義父が上半身を起こす。
母の肩越しに目が合った。
義父は驚いた様子もなく、動きを止めずに私をじっと見る。
私は目が逸らせなくなり、寒くもないのに震え始めていた。
義父は唇を舌で舐めるとニヤリと笑った。
私は恐ろしくなって窓に背を向けしゃがみこむと両耳を手で塞いだ。
その頃の私にこの行為の意味が分かるわけもない。
ただとても汚いことに思えた。
母に裏切られた気がした。
私に味方はいないと思った。


