次の日、教室のドアを開けたら一番初めに山口くんと目があった。



「おはよう。」



彼はそれだけ言うと視線を落とす。


困惑したような表情。怒っているかのような声。



「おはよう。」



山口くんの後ろを通り過ぎながら挨拶を返した。




周りに集まっていた松本くんたちとも挨拶を交わす。



いつもならここで山口くんに引き止められ担任が来るまで話をするが、私は真っ直ぐ自分の席に向かった。



何も言わない山口くんに彼らは首を傾げていた。





静かで、ゆっくりとした生活。



こっちの方が私の性に合っている。




この4ヶ月間は私には無理があった。




これでいい。