「みゆき…。」
「みゆき?」
「あんたと同じクラスの。」
「あぁ。あの化粧濃い女?」
遠足の時に絡んできた子だ。
「みゆきに全部聞いてんだよ。あんたがクラスの男子といつも一緒にいることも。遠足の時にヤマと二人でいたことも。バスも隣の席だったことも。」
私は思いっきり吸った息を鼻からはいた。
だから女子は面倒くさい。
誰が誰と何しようが他人には関係ないことだ。
勝手に首を突っ込んできた上に周りに報告するなんて。
「バッカみたい。」
阿部さんの方を見ずに呟いた。
「バカみたいって何?ケンカ売ってんの?」
「売ってない。
もう満足したでしょ?明日からはあなたも私には関わってこないで。」
言葉を失う彼女を置いて私は学校を出た。


