生まれて一度も味わったことのない感覚が
体を貫く。


その人が積み上げてきた一生というものを
俺が理不尽にも一瞬で打ち壊す。


そう考えると立っていられないほどの
恐怖に体が押しつぶされそうになった。


俺は今まで自分の眼に見えるものしか
信じてこなかった。


自分の目で見て確かめたものしか信用してこなかった。


俺は誰からもコントロールされたことがない。
今までそう思ってきた。