究極のメソード

死神は天を仰ぎ
両手を広げて立ち上がる。


瞳は閉じたままだ。


「あいつ役者だったんですか?
道理で芝居がかった奴だと思ってたんだよ。


さすが先生!あいつもこれで
観念するよ!」


渡辺の背後で関口が
やっと元気を取り戻してしゃべる。


しかし渡辺は渋い顔のままだ。


「いや、これぐらいではダメでしょう…」


渡辺がそうつぶやいた時
死神が久しぶりに口を開いた。


「渡辺さん。あなたが言うとおり
私はだめな人間なんですよ。


皆の前に立って
人に意見できるような人間ではない。



そう…


私はその生涯をささげた
演劇というものから


逃げ出した人間なんです」