パパが口を開く震えながら
「もぅ充分がんばった、充分痛い思いをしている、楽にしてあげよう、抱いてあげよう?」
って

私はうなずく事しかできなかった

…抱きたい

吏愛が保育器から出てきた
まだ呼吸器はついたままだった

吏愛…

吏愛を抱かせてもらう

「あったかい…」

初めて実感した
吏愛を抱いた瞬間に、この子は確かにさっきまで私のお腹にいた子で、間違いなく私とパパの二人の子どもだ…

「かわいい…」

それ以外言葉はなかった

抱いたと同時に全てが理解できてしまい、涙があふれた

パパも吏愛を抱く
ただただ愛しそうに、おぼつかない手で吏愛を抱いていた