春。それは始まりの季節、なんて言った奴もいたが、俺にとって見れば春なんてのは俺の人生が狂った象徴とも言える。




 あの時、あの場所で、あんな奴に出会わなければ・・・・・・・・・・・・



 そもそも、あそこで俺が立ち止まらなければ・・・・・・・・・・




 もしかしたら、あいつは俺に興味を示すことなく、平凡な日々を過ごせたのかもしれない。





 ・・・・・・・・・いや、所詮無駄な足掻きだな。

 あそこで出会わずとも、あいつとは遅かれ早かれ出会っちまってただろうし。
 
 そうなれば、あいつは絶対俺に付き纏っていたはずだ。