我慢できない!

「俺の名前・・・知ってたんだ。」
五十嵐は嬉しそうに言った。


「や・・・知ってるも何も・・・」


五十嵐 優雅-イガラシ ユウガー
スポーツ万能
成績学年トップ
容姿端麗
おまけに金持ちの息子として学校中に知れ渡っていた。
彼を知らない生徒は誰一人として、いない。

香耶は彼を見て苦笑いを浮かべた。

はっ・・・
そんなことより!!

「だ、だから
いきなりなんなのよ!」

香耶は再び優雅を下から睨みつけた。


「別に・・・なにも?」
優雅はサラッと答えた。
「は、はぁ!?
用もないのにあんなことしたわけ!?」

「君が前歩いてたから。」


・・・さいですか


香耶はため息をつくと
くるっと踵を返した。

そしてドアに手をかけた瞬間ー


バンッ


優雅が両手を香耶の顔の横に勢いよく置いた。