教室の一番隅で優雅に席に座っていた香耶は、読んでいた雑誌から目を離し、ニッコリと笑いながら万里を見上げた。


「あ、万里。メロンパン買えた?
その鬼のような顔を見たところ・・・売り切れてたのかぁ」

「そうなんだよ~
あれ人気だからすぐなくなっちゃうんだよな~・って、そーじゃないだろーが!!」

ー チッ うまく誤魔化せたと思ったのにー
香耶は万里に聞こえないように、そう言った。