「おじゃまします。」 「ああ、来たね。」 父さんとは違う、低くて落ち着いた声 これが新しい父さん 「あら…真愛ちゃんよね?」 母さんが、誰かに声をかけた 真愛… 母さんの視線の先を見ると、立って母さんを睨んでいる少女 たぶん母さんは睨まれている事にきっと気付いてない 「呼ばないで。」 鈴のような声が響き渡った それが、その少女が発した言葉と気付くには少しかかる その間に少女が動いた パンッ… 少女の透き通った手は、母さんの少し化粧ののった頬をはたく