追いかけようとしたとき、後ろから誰かに、肩を掴まれた。 「なにッ!?」 早く、早く、行かなきゃいけないのに 「わっ、ビビった~ どうしたよ、美苑?」 「何かあった?」 「いや・・・」 さっき彼がいたほうを見るけれど、そこにはもう彼の姿はなかった。 「あ・・・いや、別になんでもないよ」 「そう・・・?」 怪訝そうにあたしの顔を見つめてくる。 けどこんなこと、ふたりには言えないよ。