「…兄貴 ちょっといいか」
リビングで本を読んでる兄貴を俺は部屋に呼んだ。
「どうした?」
「…悪いが…兄貴に千冬を頼めないかな…」
「…どうゆう事だ?」
「…勉強に専念したい…今のままじゃ…医っ」
【!!】
振り返ると同時に俺の頬に激痛がはしった。
「…兄…貴」
「お前…最低だな!!千冬は どうする!?俺に任せる!?中途半端な事しやがって!!」
兄貴の拳は、俺の頬を殴った。
【…兄貴が千冬を守ってくれ…】
俺は、心の中で 叫んだ。
「ありがとうございました」
タクシーを下りると私を呼ぶ声が聞こえた。
「千冬」
「浩介、どうしたの?」
少し息を切らせながら浩介は私の腕を掴んだ。
【!!】
「時間がないんだ!!」
「えっ!?」
降りたタクシーに、また私は浩介と乗った。
浩介は、息を上げながら空港に行くよう言った。
隣に座る浩介は、私の手を強く握っていた。
「千冬!!早く!!」
「うん」

