「…浩介」
浩介の言葉が嬉しかった。
私は溢れる涙を止めることが出来なかった。
〔コンコンッ…〕
「………」
静まりかえった俺の部屋にノックの音が響いた。
俺は時計をみた、時計の針は、夜中の3時をさしていた。
【兄貴…】
俺は、扉に背中を向かせ寝たふりをした。
〔カチャッ…〕
扉が開く音が聞こえ俺は、眼を強くとじた。
「…琉汰?…」
「………」
「…おやすみ」
兄貴は、静かに扉を閉めて自分の部屋に戻った。
「はぁー…兄貴、ごめん…」
次の日も、その次の日も陵君は、来なかった。
「琉汰」
振り返ると兄貴は、2つの紙コップを持って立っていた。
「…兄貴」
【………】
「兄貴まだ仕事中じゃ」
「あぁ、ちょっと休憩だ…飲めよ…」
「サンキュー…」
俺は、兄貴からコーヒーを受け取った。
「最近、千冬の所に…」
「ごめん、最近忙しくてなっ…勉強がたまってて…」
「…そうか」

