「はい、分かりましたタクシーに乗せて病院に向かわせますね」
お母さんは、そう言って電話切った。
「…誰から?」
「浩介君よ、陵君が千冬を迎えに行けないから、悪いけど1人で来てくれって」
「そう…どうしたのかな陵君…」
「…寝坊したみたいよ!だから、お母さんタクシー呼ぶから」
「…あっ!待って!」
「なに?」
私は、ソファーから立ち上がり、バッグを持った。
「1人で歩いていく」
私は、笑顔で言った。
「なに言ってるの!無理に決まってるじゃない!もし途中で何かあったら!…」
「決めつけないで!…陵君と何度も歩いたし…」
「それは!隣に陵君が千冬を支えてくれてたから…」
「いつまでも、頼ることは出来ない!それに、このままじゃ私…」
【!!】
お母さんは、私を抱きしめ言った。
「…わかった…気をつけて行くのよ…」
「うん、ありがとう」
「琉汰!」
病院に入る俺を呼び止める声に後ろを振り向いた。
「お袋!何でここに…」

