【!?】
浩介は、私の頭に手を置いた。
「冗談だよ!」
浩介は、笑い声で言った。
「…この前ね私、陵君の顔を触ろうとしたの、そしたら…」
「…拒否された…」
「…………」
私は、頷いた。
「…突然の事で、驚いたんじゃないか…」
「その事で、怒って来ない…」
「馬鹿だな!考えすぎだぞ!そんな事で…」
浩介は、笑い飛ばしながら言っていた。
「考え過ぎになるわ!」
「千冬…」
「だって…だって私は、相手の顔色さえも解らずに話しているのよ!」
「千冬…」
「ごめんなさい…私…」
「いいんだ…俺も悪かった、ごめんな…」
「浩介は、悪くない…私が、悪いのよ……」
私と浩介は、しばらくの間その場に座っていた。
「…千冬が、そんな事を…」
「あぁ、なんだか気持ちが、不安定だった」
兄貴は、カルテを見ながら言った。
「………」
「で、試験はどうだった?」
「あぁ、何とか出来た…」
「そっかぁー!よく頑張ったな!」
「医者になれば、御袋も文句は、言わないだろ」
「だといいけどな…」
兄貴の顔が、曇った。
「………」

