二人で一人〜永遠に

「陵君、今日は、陵君の話を聞きたいな…ほらっ!いつも私の話しかしてないでしょう?」

「…………」

【…俺の話し…】

「…陵君?」

【…………】

私の目の前に座って居るはずの、陵君から私は、重い空気を感じた。

「…ごめんね…話したくないなら、いいの…この後、病院よね?浩介待たせたら悪いから、行きましょう!」


【…!?】

陵君は、私の手を握り人差し指を握った。

「…陵君?」

俺は、千冬の人差し指を握り、点字の上に指を触れさせた。

私は、陵君が流す、点字を読みだした。

【…『君と、同じ結婚を決めた人が居た……』!陵君…『だけど、僕は、その女性の元から姿を消した…』……『彼女の辛さを考えて…』………『…だけど、今は後悔をしている…』……後悔……『…逢いたい…逢って、彼女を抱きしめたい…今すぐ……』………】


俺は、千冬から手を離した。

【…千冬、目の前に居る、お前を強く抱きしめたい…】

「…私…」

陵君が、握っていた手を私は、強く握りしめた。


【…琉汰…】

千冬の目から、涙が流れた。

【……!?千冬…】

千冬は、手を伸ばした。


「…陵君…」