そのまま私は、浩介に家まで送ってもらった。


「…悪かったな…」

浩介は言った。

「………」

私は、マグカップを両手で包み黙っていた。

「謝らないで…浩介君は、千冬の為を思ってしてくれた事…私は嬉しいわ」

私の隣に座るお母さんが言った。

「…いいえ…今回の事は、まず千冬に言ってから行動するべきでした…」

【………】

「千冬…」

お母さんは、私の手を握った。

「…じゃー僕はこれで…」


お母さんは、立ち上がり浩介と一緒に部屋を出た。


【……鈴…】

私は、あの男性に掴まれた腕を触った。

【………】

〔ガタッ!〕

私は椅子から立ち上がった。

「…って…待って!浩介!」

私は、浩介の名前を呼んだ。



私は、あの男性が持つ鈴になぜか強く心がひかれた……私は浩介に、もう一度あの男性に会いたいと言った……。



――それから三日後、私は病院に向かった。


「…こちらでお待ちください」

「…はい」

そう言うと女性は部屋を出ていった静かな部屋で私は一人椅子に座た。

短いのか長い時間なのか今の私には分からないが、遠くで足音と一緒にあの音が近づいてきた。