二人で一人〜永遠に

夜、病室に戻ると千冬は布団に潜っていた。

「琉汰…」

おばちゃんは、俺のそばに来て、俺を廊下に出した。

「…千冬は…」

「ずっと、あのままで…食事も食べてくれないのよ…」

「…俺、千冬の傍にいるから、おばちゃんは帰っていいよ…」

「でも!…」

おばちゃんは、不安な顔をして言った。

「平気だから!俺が千冬を守るから…」

俺は、おばちゃんの丸まった背中を見送った。


「…千冬…そのままでいいから聞いてくれ…俺、千冬の眼が見なくても俺は…千冬と結婚をしたい…俺が千冬の眼となって、千冬を支えていきたい…千冬への愛は…」

【!!】

「同情なんかしないで!!眼が見えなくなったのに、私への愛情は変わらない!?馬鹿言わないでよ!!」

千冬は、潜っていた布団を剥ぎ取り、大粒の涙を流しながら怒鳴った。

「千冬!!」

俺は、千冬の抱きしめた。

「…やめてよ!!」

私は、琉汰を突き放した。

「…千冬…俺は、変わらない…俺が死ぬまで千冬を、愛していく!!千冬の隣で千冬を支えていく…」

「消えて!!…私の前から消えてよ!!」

「…千冬…」

「支えなんかいらない!!」