「琉汰!お願いよ!眼が見えない千冬と居ても、苦しむのは貴方よ!…ううん!千冬だって、苦しむわ!」

【………】

「お願いします!!」

俺は、頭を下げ土下座した。

「琉汰…」

〔コンコンッ!〕

「失礼します」

女性の声が聞こえたと同時に扉が開かれた。

「…千冬!」

千冬は、ベッドに寝かされたまま、病室に戻ってきた。

「…琉汰」

俺は、千冬の手を握りしめた。

「千冬!」

「…琉汰の顔…見たい…」

千冬は、俺の手を離し俺の顔に手を伸ばしてきた。

「………」

俺は、おばちゃんと目が合った。

「…包帯…まだ取れないの?…」

「…あぁ…もう少しで取れるから…」

千冬は、眼で見えない代わりに手で、俺の顔を触った。

「あったかい…」

俺は、顔を触る千冬の手を握った。

「…千冬」

琉汰は、泣いていた。

私の手に、琉汰の涙が染み込んだ。



千冬が、目覚めてから3日が過ぎた。

「千冬!今日も天気いいぞ!」

俺は、病室の窓を少し開けて言った。

「そう…」

千冬の声には、元気がなかった。

「…千冬?どうした?どこか痛むか?」

俺は、ベッドに座った。