はかなき恋のうた~NAGASAKI・軍艦島

ーーその日の夜…




俺がシャワーを浴びて寝ようとしていた時、コンコンとドアをノックする音がした。





ーー真琴…?こんな時間に…?




俺がドアを開けると、真琴が一人で立っていた。左手には大きなかばんをひとつ持って…



「真琴…おじさんの家は…?」

「マア兄、入れてくれる?」

「ああ…さ、入れよ」

「うん」





ーー真琴の顔がどこか遠くを見つめていたような感じがしたのは、俺の気のせいではないと直感で分かっていた。