真琴が泣き崩れ、地面にしゃがみこんだ時、炎の中に二つの影が見えた。それは消防隊員に抱きかかえられる真樹だった。
「マサちゃんじゃ…マコちゃん!マサちゃんじゃ!」と根木ばあさんが真琴の背中をたたくと、真琴は「マアニイ!」と叫びながら真樹に駆け寄った。
「マア兄、マア兄…よかった…ホントに…お父さんにお母さん…それにマア兄までいなくなちゃったらあたしどうしたらいいの?ねえ…あたし一人おいていかないでよ!」
真琴は真樹に抱きついて泣き崩れた。そして真樹は煙でススだらけになった真っ黒な顔で「ごめん…真琴…助けられなかった」と真琴を抱きしめながら、そう言った。
真琴の悲鳴と泣き声だけが夏の夜を焦がし、時間だけがひとり無情に過ぎていった。
「マサちゃんじゃ…マコちゃん!マサちゃんじゃ!」と根木ばあさんが真琴の背中をたたくと、真琴は「マアニイ!」と叫びながら真樹に駆け寄った。
「マア兄、マア兄…よかった…ホントに…お父さんにお母さん…それにマア兄までいなくなちゃったらあたしどうしたらいいの?ねえ…あたし一人おいていかないでよ!」
真琴は真樹に抱きついて泣き崩れた。そして真樹は煙でススだらけになった真っ黒な顔で「ごめん…真琴…助けられなかった」と真琴を抱きしめながら、そう言った。
真琴の悲鳴と泣き声だけが夏の夜を焦がし、時間だけがひとり無情に過ぎていった。

