「自分の傘がいいと思うぞ。だって俺の傘…穴空いてるから雨漏りするし」と言っていると、本当にポタっと真琴の黒髪の上に2、3滴雨の雫が漏れ落ちた。



「あ…ホントだ…マア兄、いい加減買い替えたら?」
「いい。俺…金もないし。大丈夫」
「じゃ今度アタシが買ってあげる。来週でしょ、マア兄の誕生日」
「そうだけど…いいよ。無理しなくて」
と俺は答えたが真琴はそれには答えずに


「でもこんな雨の日がいいかも」と俺を見て笑って見せた。