「・・・・ユ、垣内くんは・・・・?」
思ったより冷静にその名前が言えた、私の顔を、マアコはまだ笑いの残った顔でじっと見てから、つぶやいた。
「ユウは・・・・一番サッカーが上手だったな・・・・そして・・・」
そして?
マアコは、私から視線をはずして、背中の向こう側を見ながら笑った。
「・・・・すごーく・・・鈍感」
違和感を感じて、後ろを振り返ると、
「おー、ここにいたのか」
って歩いてくる瑞貴と、驚いたように目を見開き、立ちすくむユウが見えた。
「先に来ちゃった~」
彼らに手を振るコマキの笑い声に、ふともういちどマアコに視線を戻すと、
なんだか、彼女の表情が少しだけ寂しそうに・・・・見えた。

