ぶつぶつ言いながら補習の宿題に取り組むコマキを横目に、もう一度グラウンドに目をやる。


グラウンド、というより・・・その先にあるフェンス。


彼をずっと見ていた、思い出の場所。


もう・・・・クセになっちゃってるな、と思わず苦笑いをこぼして教室の彼の机の方をながめた。


あれから・・・・


あの夏祭りの日から・・・


ほとんどユウと会話を交わすことなく、夏休みになった。


ユウや瑞貴と会うことのない、時間。


本音は、寂しいけど、


彼への気持ちが少しでもリセットできる期間になればいい。


しかも、今さらながら彼の携帯番号やメアドを知らない間抜けな私に感謝してる。


連絡方法があれば寂しくなるから。


声を聞きたくなって、また・・・終わらせた恋にしがみつきたくなるだろうから。