「私はユウが好きなの」


一旦こぼれた言葉は抑えていた気持ちをいとも簡単に解き放していく。


「ユウだけが・・・・好き」



ドンッ・・・・ザーッ・・・パラパラパラ・・・



ちょうどその時あがった花火が一瞬彼の顔を照らし出した。


驚いたような・・・・そして、少し困惑した・・・ユウの顔。


見たくなかった・・・。


困らせるつもりなんて、なかったのに。


ずっとしまっておくつもりだったのに・・・。


「・・・・ごめん」


そんな言葉・・・聞きたくなかったのに。


なり続ける花火に、輝き続けるその光に・・・・


彼の表情を今はもうこれ以上見ることが出来なくて、真上を向いて目を閉じた。


決定的な・・・失恋。


恋の終わらせ方を・・・・不器用に知った17歳の夏。