それから1ヶ月。
私は、大学で始まった実習という名の見学にあわせてほとんど毎日のようにマアコの病室に顔を出している。
・・・・彼は、来ない。
どこにいるのかさえ、わからないままだ。
・・・・だけど、そんな毎日も今日で終わり。
今日でマアコが退院できることに決まったから。
長かったね。
でも、楽しかった。
「マアコ、荷物はまとめた?」
「うん、ぼちぼち」
「ぼちぼち、ってなに?」
そんな会話をしながら、マアコはベッドにすわって一生懸命何かを見ている。
「ね、これ何を撮ったの?」
なんて・・・・
私の写真に噴出しながら。

