帰ろう。
あんなさんは、忙しそうだし・・・後からメールを送って・・・・、
そうやってくるりと体の向きを変えたとき。
ドシン。
「あ、ごめんなさい」
何かにぶつかった鼻を押さえながら上を見上げると・・・・
あ・・・・。
「果歩ちゃん?」
小畑さんだ・・・。
カメラを抱えた小畑さんが私を見下ろしてにこっ、と笑った。
「久しぶり・・・・ってこんな風に話すの初めてだよね?」
「は、はいっ」
なんだか無意味に緊張してしまうのは、あんなさんや、さっきのみぃから小畑さんの話を聞いてたからだろう。
「緊張しないでよ。俺、説教してるみたいに見えるじゃん」
そう言ってははっ、と笑った小畑さんに、なぜだろう、さっきまで冷たく固まりかけてた気持ちがふわっ、とほぐれるのがわかった。
・・・・あんなさんや、ユウが大好きな人。尊敬する人。
その意味がなんとなくわかったような気がしたんだ。

