「それより・・・・あいつ、午後退院だろ?一緒に行こう」
「え・・・・?」
それはちょっと、と言葉を濁した私の手をひっぱって、瑞貴は校門へと歩き出した。
「瑞貴?」
彼は前を向いたまま、話を続けた。
「昨日、ごめんな?・・・・けど、俺やっぱり違うと思う。お前は違うと思う。もしかしたら・・・ユウは記憶がないままでそれに気がついてるんだよ。昨日だって・・・」
「瑞貴・・・・それ以上言わないで・・・・結構つらくなる」
そういう私を、振り返った瑞貴がまっすぐに見つめた。
「果歩、ユウはお前が好きなんだよ」
瑞貴から目をそらすと、彼は私の手をつかんだまま話し続けた。
「大丈夫。ユウは思い出したって・・・・たとえ思い出さないとしても、果歩が好きだよ。そんで・・・・思い出したとしても、果歩を離すことなんて絶対にしない。どんな事情があっても・・・」
どんな事情・・・・・・それがマアコのことを指してるんだと気づいて唇をかんで下を向いた。

