「果歩ちゃん・・・・・」
マアコのお母さんが出て行った扉を見つめてる私に、あんなさんが声をかけた。
「これでいいんです。現に今・・・・ユウに無理やり思い出してもらう、なんてするつもりもないし・・・・」
「果歩ちゃん・・・・ごめんね・・・?」
少し涙声のあんなさんが何度もごめんねを繰り返した。
「あんなさん、謝らないで下さい。私・・・・あきらめてるわけじゃないんです」
「・・・・・?」
「ユウが本当に全部忘れるわけない、って信じてるから」
「果歩ちゃん・・・・・」
「だから、マアコが目を覚ますまで。ユウが・・・・・ゆっくりでもいいから、思い出してくれるまで・・・」
だから・・・・
だから・・・・・・
信じてる。
信じてる、ユウ。

