「ごめんね。でも・・・・やっぱり我慢したくない。これが本当の私の気持ちだから。もう距離でごまかしたくない」



「・・・・・・」



とは言ったものの・・・・ユウの沈黙に今度は心がキュッ、と縮みこむのが、わかった。


やっぱりこれは遠距離恋愛においては禁句、だったの?


思わず目を閉じた私の耳元に、少し低いユウの言葉が響いた。




「俺は、さみしい。果歩がいないから、さみしいよ」


「えっ?ユウ・・・・?」



言えなかった心の奥底の言葉を今ユウの口から聞いてる。


「ごめんな、俺からは言えない言葉なのに・・・」


「・・・う、ううん。私も、同じだもん・・・同じ、だもん」



泣きそうな私の声の向こう側で、ユウがほーっ、と息を吐く声が聞こえた。



「果歩、ありがとう」


「え?」


「果歩が勉強でがんばってるのがわかってたから、絶対今は言えないと思ってた。もっと果歩をさみしがらせるんじゃないか、って勝手に思ってた」



ぶんぶん、と首を振った私の声なき言葉に、ユウはちっちゃく笑ってからほっ、とため息をついた。