「ごめん…。俺も卒業式わからない…」
え?
見つめる先でユウはテーブルに肘をつきながら頭をくしゃくしゃと掻き回した。
「なんで?垣っちはF市だから、大丈夫…じゃないの?」
声が出ない私の代わりにコマキがユウに問いかけた。
「……つこうと思ってるカメラマンが、ついてるアーティストと一緒に来年の春にむけて海外に行くんだ。……それに、誘われてる」
もしかして、そのカメラマンって小畑さんのこと、だよね?
私の頭の中に、小畑さんと話してるユウの嬉しそうな表情が思い出された。
「……んで、出発が…少し早まる」
ドキンドキンと胸の鼓動がそのスビードを早めていく。

