そういうと、瑞貴はテーブルの上の私のグラスを取って一口お茶を飲み込んだ。



「・・・・ほら、見ててみ?」



「瑞貴!お前も手伝えよ」


カウンターキッチンから顔を出したユウが大きな声をあげるのを聞いて瑞貴は私ににこっと笑って見せた。



「あいつも、結構やばいよ。あれはすげー緊張してるな・・・」


「へ?」


「お前のグラスだと思って、焦ってやんの。ほら、絶対にこれ取り上げるからな?」



こそこそと瑞貴が私の耳元でつぶやくのと同時に、ユウが少し怒ったような顔で瑞貴の手からグラスを取り上げて私の腕をひっぱった。



「果歩も・・・えっと・・・・・・・手伝って・・・」


「あ、う、うん」



見下ろすと、瑞貴がユウに「バーカ」と声を出さずに口を動かして、それに応えてユウが瑞貴に軽くキックするのが見えた。