ピンポーン!
タイミングよく鳴ったチャイムに、コマキがぴょんと飛び跳ねるように立ち上がって玄関に向かった。
「・・・果歩、なんか変」
目の前のユウに見つめられて思わず目を伏せた。
だって・・・
あの夢のような甘い甘いキスのことを思い出してたなんて・・・言えないし。
甘くて苦い・・・あの思い出は未だに誰にも言ってない私だけの秘密。
「あのさ、果歩・・・・」
ユウの声にびくん、と体がはねる。
そおっ、と顔を上げると、ユウが何かを考えてるような表情をして、すぅっと息を吸ったのがわかった。
何を言うのかわからないけど、なんか・・・・すごい緊張、する。

