苦笑いを浮かべたユウの顔をちらっ、と見てから私はつないでないもう一方の掌であふれそうになる笑みをぐっ、とこらえた。



恋だよ、恋。



思いっきりハテナな表情のユウが、なんだか可愛くて、思い切り背伸びをして彼の頭をぽんぽんと叩いて言ってみた。


「”鈍感くん”にはわからないよ、きっと。へへへ」


「はぁ~~?」



そう言ってみたものの・・・・・


勢いで触ってしまったユウの髪の毛がさらさらで、それにドキドキしちゃってる私は、完全に恋愛初心者の他でもなく。


せめて気づかれないように、その手を自分の頬にぎゅっ、と押し当てた。


かすかにしたユウの香りに、ますます鼓動を速くしてしまう私は本当に救いようのないほど、きっとユウにはまってるんだ。


一体、どこまで好きになったら好きの終わりが来るんだろう。


そんな幸せな問いをユウの手を握りながら考えていた。