その後、マアコが看護士さんに呼ばれるまで私たちは他愛のない話をして過ごした。



マアコは嬉しそうに、卒業式を楽しみにしてるってこと。



来年には退院をして、なにか仕事か勉強をしたいんだ、って話してくれた。



そういうマアコを見てユウは意外だったのか、



「お前、なんかすげー前向きだな。なんかいいことでもあった?」



って、窓際にたったままマアコにたずねた。



それは、アレだよね?



そっと、マアコに目配せすると、



「なんでもないよっ」



と言って、マアコは私にしーっ、と口に人差し指を一瞬当てて見せた。



「なんだよ、お前ら」



そんな言い方をしながら少しすねた様子でペットボトルに口をつけるユウの横で私たちは顔をつき合わせてクスクスと笑った。



・・・・マアコの名前をはじめて聞いたときに、こんな日がくるなんて思ってもみなかった。


こんなに幸せでやわらかな時間。





そして・・・・この時はそれがずっと続いてくものだって・・・・・おおげさだけど、キラキラした時間がまるで永遠に続くように思い込んでた。


そう・・・・・信じていたんだ。