私がもう一方の手で彼を殴ろうとしたその時、



「おいっ!」



という声がして、


「何すんだよ、お前」

「離せよっ」


何かが目の前でもみあった後、私の腕は一旦解放され、今度はてのひらを握られ引っ張られた。


そして走り出す。


入り口の方へ。


明るい光の法へ。




これは・・・・



私の目の前にかけてゆく大きな背中は・・・・大好きな背中は・・・・



大好き・・・・大好きっ。



「ユウッ!」



彼の名前を叫ぶと、なぜか鼻の奥がツンと痛くなった。