なんか、限りなくばれてるような気もするけど、どうにかコマキから目をそむけた。



「それにしてもさ~・・・・」


「ん?」


「切ないよね~・・・・」


「???」


「王子だよ、王子・・・・。普通好きな子にそこまでできないって。本当に優しいよね」


窓の外から見えるグラウンドで、朝連の片づけをしてるサッカー部の皆さんを見ながら、コマキが大きくため息をついた。


「上手く、いかないもんだね・・・・」


「ん・・・・」



「・・・・やっぱり好きなんだね、垣っちのこと」


「ほえ?」


「なんか、違うもん。今日久しぶりに果歩と垣っちみててそう思った。果歩の目、完全ハートだもんね・・・・あと・・・」


コマキが言いかけた時にチャイムが鳴り響いた。


「何?聞こえない」


「・・・・いいや。今日もがんばってこー。放課後スタッフ会議あるよん」


「コマキ?」



なんか、妙な違和感を感じながら私は小さく首をかしげて教室に戻った。