近くの線路を通る電車の音、 南向きの窓からは弱々しい西日が差し込む。 いつの間にか、 部屋の中には、 夜が染み込んできていた。 彼女の仕事が終わるまでには、まだ、時間がある。 リビングの電気をつけ煙草を吸う。 昔は煙草なんて吸ってなかったのに。 いつからだろう。 思い出せない。 あぁ、ダメだ。 また一つ、記憶の蓋が開く。