グランドの片隅で。

ユリとレイジくんが、なにかを話している。

ぎこちない動きのレイジくんと。

複雑な顔のユリ。


なにを話しているのかな?


私は校門近くで。

そんなユリのことを待っていた。


しばらくすると、話し終えたのか。

ユリがこちらに、やって来る。

「ごめんねー、待たせちゃって。帰ろ帰ろ。」

「うん。」


なにを話していたの?

そう聞こうと思いつつ。

なんとなく聞きそびれた私は、小さくうなずいて。

そのままユリと一緒に、歩き出した。