アンドロイドちゃんがラーメンを沸かしている間、俺はテレビを見ていた。
そのテレビ番組では、本物の店のラーメンが美味しそうに映っていた。
「うまそー」
思わずそんな言葉をこぼしてしまった。
パチパチパチパチ…
何やらパチパチと怪しげな音が聞こえてきた。
まるで何かを炒めているような…
ラーメン??
いやいや、ラーメンは炒めるもんじゃないでしょ。
焼きそばじゃあるまいし。
俺はチラッとキッチンを覗いてみた。
するとそこでは…
カチカチに乾いた四角いインスタント麺をフライパンでパチパチと炙るアンドロイドちゃん。
「おいおい…」
俺はそぉっと彼女に近づいていき、わっと肩をたたいてやった。
しかし、そこはさすがアンドロイドちゃん。
何事もなかったかのように乾麺を炙る作業を続けている。
「無視すんなよ~」
「なんですか?」
なんて冷酷な話し方だこと。
さっき俺が笑ったことをまだ根に持っているらしい。
「それはまさか…俺への仕返し?」

