━次の日━

あたしが仕事の為に起きた頃には、すでにエリはいなかった。

涼に打ち明けるんかな…

そう思うと、また辛くなった。

あたしはエリのおかげで、今がある。

あたしを姉だと知った上で、あたしに接してくれたエリ。

手首を切った時、あたしはエリを守ろうと思った。

そして母親の事を聞いて、それ以上に、そう思った。

エリはあたしの、妹やから。

家族やから。

…やのにあたしは、涼が絡むと、何でこんなにもエリを憎んでしまうんやろう…


涼はきっとホストである以上、あたしを真剣に愛する事はない。

涼の周りには、お金もあって、綺麗な女の人がいっぱいいる。

分かってるのに…

何でエリから話を聞く度に、こんなにも胸が、苦しくなるんやろう。

あたしは自分の気持ちが、理解出来ないまま、仕事の仕度をして、仕事場へと向かった。