あたしは、何もエリにかける言葉が見つからず、ずっと黙ったままだった。

そんな自分が、情けなくて嫌だった。

でも、一方で幸せに育ったあたしが、何を言っても、エリを傷付けるだけかも知れんから…

そう思ったら、ますます何も、言えなかった。


あたし達は、ひたすら泣き続けた。

その中で、あたしはエリを、本気で守ろうと思った。

エリが手首を切った時…

そう思った以上に、強く、強く思った。


最後にエリが言った。

「今日の事は、朝日忘れて…?
朝日が気にする事、ない話やから。
それにな、あたしには、今大事な人が、側におってくれるから。
大丈夫、なっ?」

エリはあたしをさとすように、そう言った。


なぁ、あたしはあんたを、愛しててん。

あんたもあたしを、愛してくれてたんやんな?

遠回りして、遠回りして、気付いた…

辿り着いた未来に、あんたはいーひん…