サルビア

バタンッ…

玄関のドアが閉まる音を確認して、エリは、「変なとこ見せて、ごめんな?」と言った。

あの人は誰…?

もしかして、あたしの母親…?

今、何があったん…?

?だらけのあたしに、エリは「まぁ、突っ立ってんと、座ったら?」と言った。

「あ…、うん」

そう言って、部屋に入り、テーブルの前に座った。


「ハァーッ…」

エリは深い溜息をついて、煙草に火をつけた。

「今の…誰?」

沈黙に耐えられなかったあたしは、恐る恐る聞いた。

「ん、まぁ嘘言うてもしゃあないしな。
おかん…イコール、あんたのおかんやな」

エリはあっさりと、そう言った。

「やっぱり…」

不思議と、驚きはなかった。

あの人が、あたしの母親か…

確かに、顔はすごく似ていた。

一目見た瞬間に、あたしは分かっていたのかも知れない。